夕刊フジの休刊を発表|産経新聞
https://www.sankei.com/article/20241001-L53YWS6OZBHSHFUN7WTI2W4PGA
世界で最も高価な香辛料はサフランであるであるという。その鮮やかなオレンジに近い色あいは「サフランイエロー」と呼ばれている。高価な理由は、サフランの花のめしべから手作業で採取され、一つの花から得られる量がごくわずかであるためだ。その希少性と手間が、サフランを貴重なものとしている。
産経新聞社の夕刊紙「夕刊フジ」が、来年1月31日発行(2月1日付)をもって電子版を含めて休刊することが発表された。公式サイト「zakzak」も同日に更新を休止するという。
昭和44(1969)年にタブロイドサイズの夕刊紙として生まれた夕刊フジは「オレンジ色のニクい奴」というキャッチコピーで、勤め帰りのサラリーマンらに独自の切り口でニュースを届けてきた。その紙面は政治、経済、社会、芸能、スポーツなど幅広い分野を網羅し、時には大胆な見出しで注目を集めた。
時代の変化とともに、メディアの形態も変わる。インターネットやスマートフォンの普及により、情報は瞬時に手に入るようになった。帰宅途中のサラリーマンが夕刊を買って、電車で読む。そんな姿を見かけることはなくなり、多くの人がスマホに目を向けるようになって久しい。
紙面は消えても、情報を人が求めていることは変わらない。
サフランの花言葉は「陽気」だという。「オレンジ色のニクい奴」は姿を消すが、我々に情報を提供する「陽気でニクい奴」はまたどこからか現れるのかもしれない。