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コクヨの文具等値上げ – いつかは文具が貴重品になる時代がくるかもしれない|2024年09月29日

ステーショナリー製品、オフィス家具製品等の価格改定を実施|コクヨ
https://www.kokuyo.co.jp/newsroom/news/category/20240919cs1.html?_ga=2.31723004.371164758.1727603439-998903347.1727603439

古代ローマでは、貝紫色(ティリアンパープル)が「王の色」と称された。
千個の貝からわずか数グラムしか染料を得ることができず、紫の衣服を身にまとうことは、皇帝や貴族のみが許された特権であり、権力と富の象徴であった。

この染料は金よりも高価であったとも伝えられ、その製造には膨大な時間と労力が費やされた。紫色は高貴さの象徴として、現代にもその意味が受け継がれている。

明治38年の創業以来、文具やオフィス家具の製造販売を手がけるコクヨ株式会社は、2024年12月1日よりキャンパスノートなどのステーショナリー製品を、2025年1月1日よりオフィス家具製品を、それぞれ値上げすると発表した。
同社はこれまで生産効率の向上、新技術の導入、コスト削減など、価格維持に向けた企業努力を重ねてきたが、原材料である紙や金属、プラスチックなどの資源価格、さらには燃料費や物流費、人件費の上昇もあり、今回の発表となったようだ。

古代の人々が希少な資源に価値を見出し、それを手にするために多大な労力を費やした。大量生産により様々なものが安くなった現代においても、限りある資源によって製造されていることに変わりない。
文具市場は、コロナ禍でのテレワークなどの働き方の浸透によるオフィス需要の冷え込みや、ペーパーレス化のさらなる進展によって、厳しい状態が続いているという。
遠い未来、文具は古代のティリアンパープルのように、限られた人のみが使うものになっているかもしれない。


▪️参考URL
世界で最も高貴な色「大和貝紫」
https://www.ayasilk.com/workshop/royal_purple.html

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